日本アジア言語文化学会主催・共催のイベント、学会員の受賞報告など、日アの動向をお伝えします。
2023年度 2022年度 2021年度奈良女子大学日本アジア言語文化学会学術講演会
千本英史先生(本学名誉教授)最終講義『骨愛異聞』
古代学・聖地学研究センター第十七回若手研究者支援プログラム「萬葉集巻十六を読む」(オンライン開催)
期間限定配信のオンデマンド模擬授業。日アからは、
2回生から院生まで23名が出席。初「対面」の学生どうしもいたことと思うが、今後の交流の礎にもなることを願って。
長島弘明氏:上田秋成の伝記をめぐる諸問題__出生と名前
14:40〜、於奈良女子大学記念館2階講堂
【模擬授業】奥村和美:新元号「令和」と『萬葉集』
寳珠院、大阪天満宮(川端康成生誕碑)、大阪市立東洋陶磁美術館
奈良女子大学フフモッイハニア_オーオーイハニアケルヘ」、appマツヤリニスフィプロジェクト経費・蒋経国国際学術交流基金後援 / 於A棟生活環境学部会議室
談山神社、談い山・御破裂山、念誦窟
ご卒業・ご修了、博士学位取得、おめでとうございます。また、すてきな謝恩会にご招待いただき、ありがとうございました。みなさまの、今後のご活躍を祈念しております。
ご卒業・ご修了、博士学位取得、おめでとうございます。また、すてきな謝恩会にご招待いただき、ありがとうございました。みなさまの、今後のご活躍を祈念しております。
2017年2月14日に日本アジア言語文化学会の総会が開かれました。同日には卒業論文・修士論文のうち優秀論文3本の発表もありました。
たくさんのご来場、ありがとうございました。興味深いお話にぐいぐい引きこまれ、みな熱心に聴き入っていました。。本学大学院生の鈴木さんによります参加記をお読みください。
今年度の日本アジア言語文化学会特別講義では、山崎e之先生(京都府立大学教授)に「古典を学ぶ」というテーマでご講演いただいた。
今回の主眼は「古典との向き合い方を考える」であったと思われるが、その好例として、クサナギの剣の名についての「草を薙ぎ払ったから」という語源説、『万葉集』五一八番歌「春日野の山辺の道を恐りなく通ひし君が見えぬころかも」の三句目の揺れ(オソリ/ヲソリ/ヨソリ)、そして『万葉集』の八二四番歌「梅の花散らまく惜しみ我が園の竹の林にうぐひす鳴くも」における竹林とうぐひすの取り合わせの由来についての三つを挙げられた。語源説についてはその説そのものを一度疑い、クサナギの剣について触れた『古事記』『日本書紀』等の原典とその周辺資料を見直す必要のあること(それは書物に限らず、出土した剣なども含む)、『万葉集』に関しては、活字化されたものではなくいくつもの写本を比較することの重要性、そして『万葉集』のみに拠らず、国や時代も隔てた幅広い資料に当たることの必要性を述べられた。示された例は語源に関する言説、表記や語の認識の問題、和歌表現における取り合わせとバリエーションに富んでいたが、これらを通して先生が主張されたのは、一つの資料・言説に固執せず、柔軟にあらゆる方面から古典にアプローチすることの大切さであったかと思う。
また先生は最後に「私の話を全て鵜呑みにせずに、ここは違うのではないかと疑ってもみてください。」ともおっしゃっていた。私たちは古典を学ぶ時にはいつも、自身の論、他者の論、そして資料そのものに対し、「ピュアな疑いの目」を向ける必要があるのではないだろうか。「疑う」というのは決して粗探しをするということではなく、古典の生き生きとした姿を掘り起こすために真摯な態度で向き合うことを指すのだと思った。
「古典を学ぶ」という演題ではあったが、柔軟性と良い意味での疑いの姿勢というのは、古典に限らずあらゆることを研究する上で常に意識すべきものであろう。研究の本来あるべき姿を、豊富な資料を通して実践的に示していただいた貴重なご講演であった。
2016年度、夏のオープンキャンパス。たくさんのご来場、ありがとうございました。
模擬授業は、鈴木広光先生による「ニホンか?ニッポンか? __ことばの歴史を辿る」。大教室が埋まるほどの盛況ぶりで、受験生も保護者の方もみな興味津々で聴き入っていました。
日アの共同研究室では、コースの守り本尊、ならぬお人形がお出迎え。古代から近代にいたるまでの日本/中国の諸史料、奈良女高師史料を展示しました。秋のオープンキャンパスでもいろいろと展示しますが、ナマの史料に触れるチャンス、こぞってお出でください。
今年度の日ア研修旅行は、大阪市立美術館と四天王寺。大阪市立美術館では「王羲之から空海へ__日中の名筆 漢字とかなの競演」展が開催中。国内外の名品が勢揃いしたなか、万葉集に見られる語に注目する人、書体に注目する人、石刻や拓に注目する人、それぞれの興味に応じて楽しんできました。その後、各自でお昼を済ませ、今度は皆で四天王寺へ。宝物館では名宝展「“はこ”は語る__護られた宝物と歴史」が開催中。名品を楽しんだあとは、銘品「釣鐘饅頭」を味わいつつ奈良女へ。
最後の懇親会も、係の学生さんが盛り上げてくれて、楽しい時間を過ごしました。これまで研修旅行は1泊2日でしたが、今回は日帰り旅行。楽しみが凝縮されていて、これはこれでいいものです。係の学生さんの尽力に感謝です。
磯部敦担当の学部授業「近代国文学演習T」「卒業論文演習T」、大学院授業「近世近代国文学演習T」の一環として、国立国会図書館関西館の利用説明会および書庫見学をおこないました。
奈良女子大学は56万冊強の図書を所蔵していますが(2015/03/31時点)、これで事足りるということはありません。研究や勉強のためには、奈良や近畿をひとつの図書館として捉えて近隣の大学図書館・公立図書館を利用していく必要があります。
そんなとき、いちばん利用することになるのは国立国会図書館関西館でしょう。学部3回生が全員初利用ということで、図書館員さんに協力いただき、国会図書館の利用のしかたを説明いただきました。
国会図書館は各種データベースを提供しており、日アのホームページでもいくつかリンクを貼らせてもらっていますが、どんなときにどのようなデータベースにアプローチすればよいのかという基本的なことからちょっとした技までを説明いただきました。現場の人ゆえの、濃密な内容のレクチャーでした!!! そしてその後は書庫見学。いつもとはまったく違ったバックヤードの風景に、教員がいちばんわくわくしていたかもしれません。
図書館員さんが仰っていた、「一生使いつづていく図書館」としての国会図書館というのに納得の、充実した時間でした。
最後の画像は図書館内の壁なのですが、、、実は日本屈指の左官職人さんの手になるものなのだそうで、建築系の学生の見学も絶えないのだとか。
椅子の配置ひとつひとつにもデザイナーの意図があるそうで、いままでなにげなく通りすぎていた風景にも多くの人たちが関わっているという事実に、あらためて気づかされました。
ご卒業・ご修了、おめでとうございます。素敵な謝恩会にもお招きいただき、ありがとうございました。
晴れの日、晴れの舞台、晴れやかなお姿に、晴れ晴れとした気分。旅立つにふさわしい日でした。みなさんのご活躍を祈念するとともに、どのような道をどのように歩んでいくのか、楽しみにしております。
2016年2月12日に日本アジア言語文化学会の総会が開かれました。同日には卒業論文・修士論文のうち優秀論文3本の発表もありました。
たくさんのご来場、ありがとうございます。用意したイスが足りなくなるほどの盛況ぶり。先生と聴衆の熱気で、活気あふれる講義となりました。本学大学院生の西川さんによります参加記をお読みください。
今年度の日本アジア言語文化学会特別講義では、興膳宏先生(京都大学名誉教授)をお招きし、杜甫の成都滞在期の詩を中心にご講演いただいた。流浪の人生を送った杜甫だが、彼が成都に滞在した期間に制作した詩作品には、それ以前には見られない特徴が多々現れる。たとえば、家族と過ごす生活の小さな一コマ、草花や虫の生き生きとした動きを描き出したこと、自分自身の創作行為を理論化し、それを詩でもって表現したこと。こうした特徴がみられる杜甫の成都期は彼の創作人生の中で重要な位置を占める、というのがお話の主眼であったのではないかと思う。
杜甫の詩は膨大な注釈のつく難解な詩であるにも関わらず、先生が解説されるのを聞いていると、杜甫の詩の言葉が不思議ととても身近なものに感じられた。これは先生の読みが、多くの注釈を消化吸収し、そして日々杜甫と対話されている時間の上に導きだされたものであるからだろう。杜甫は自身の創作の秘訣を「転た益ます多師なるは是れ汝が師なり」という。古人から、身近な人から、すべてのものから学べないことはなく、自身をとりまくすべてが「師」である。この言葉を、あの講演の場でもっとも実感されていたのは、先生ではなかっただろうか。先生がこの言葉を口にされたとき、杜甫の創作に対する思いと、先生の研究に対する思いが重なって聞こえた気がした。この人生と学問に対する積極性を持った杜甫の言葉に感銘を受けた人も多かったのではないだろうか。私自身もこの言葉を指針に、今後も研究に取り組んでいきたいと思う。
磯部敦教員担当の学部授業「近代国文学演習」「卒業論文演習」、大学院授業「近代国文学構造論演習」の一環として、京都の中西印刷さんにお邪魔し、活版印刷機器や印刷会社の仕事について見学してきました。
中西印刷さんは、慶応元年(1865)からの歴史を持つ京都の老舗。木板、活版、オフセット、DTPなどなど、書物の物質性をささえた技術の粋をたっぷりと堪能してきました。
読書は、書物というモノなくして成立しません。テキストはモノに固定されて初めて読むことが可能になります。テキストの自明性を疑い、モノを持って読んでいるという事実に目を向けたとき、ではその現場にはどのような人びとが関与し、どのように作られ、どのように流通し、どのような場で、どのような理由でわたしたちと接触するのか、という視点が浮上してくるのです。
このような趣旨のもと、まずは中西印刷専務の中西秀彦さんによる印刷史の講義。古今東西の印刷技術の歴史や意義は興味深く拝聴。印刷技術については???の学生が多かったようですが、こういうのは実際に体験してみると理解できるものです。
つづいて活版ミニ博物館の見学。印刷所の財産たる活字母系(これがあればいつでも活字は作れます)やインテルのほか、めずらしい西夏文字字母などを拝見。活字棚の前にも立ちましたが、小さな活字がびっしり。『銀河鉄道の夜』でジョバンニが「虫めがねくん」と呼ばれていたのも納得です。どの活字がどこにあるのか分からなければ何にもできず、まずは使った活字をもとに戻す仕事から始めて場所を覚えていくのだそうです。何年かかるのだろう?
文選工が拾った活字は植字工の待つ植字台へ。ここで版が組まれていくのですが、、、この写真、中西印刷さんが活版印刷の稼働を止めた1992年6月13日のままなのだそうです(!) インテルの長さの調節をはじめ、版を組むには熟練した技術が必要なのだとか。いまは使われていない技術をいかに遺し伝えるか、というのはなんとも悩ましい問題です。
タイムスリップした学生たちも興味津々。中西さんにいろいろと質問していました。最後は現在の印刷現場を見学させてもらいました。はじめて見る大型の印刷器械がフル稼働しているようすは圧倒的。これまでとは違った風景がこれからの読書で見えてくる、そんな貴重な体験をさせていただきました。
お仕事中にもかかわらず暖かく迎えてくれた中西印刷のみなさま、ありがとうございました。
2015年度、夏のオープンキャンパス。たくさんのご来場、ありがとうございました。
模擬授業は、大平幸代先生による「『詩』を作るのもの神頼み__唐代受験生の『夢』ものがたり」。受験生も保護者の方も、みな興味津々で聴き入っていました。
日アの共同研究室では、いつもながらのお人形がお出迎え(迫力ある〜)。近世板本『犬の草紙』や錦絵、近代からは検閲跡の見られる書物や雑誌『成功』などを展示しました。『成功』は、受験生よりお父さん方のほうが食いつきが良かったような、、、
今年の研修旅行は、「海のある奈良」とも呼ばれる福井県小浜を訪れました。天候にも恵まれ、非常に充実した2日間となりました。
1日目は、江戸時代に宿場町として繁栄した熊川宿や明通寺、神宮寺、そして東大寺二月堂へのお水送りが行われている鵜の瀬を見学しました。
また、小浜市立図書館では、小浜市文化財にも指定されている酒井家文庫の資料を見せていただきました。
翌日は小浜市内を散策した後、小浜出身の詩人である山川登美子の記念館を訪れました。そして旅の最後には、万葉集にも詠まれた景勝地である三方五胡を梅丈岳の山頂から一望しました。
(2015年度旅行委員記)
2015年2月10日に日本アジア言語文化学会の総会が開かれました。同日には卒業論文・修士論文のうち優秀論文4本の発表もありました。
今回は講師として日アの先輩お二方をお招きし、大学・大学院時代から現職に就くまで、そして就いてからの研究生活についてお話いただきました。
豊田恵子先生は、本学大学院博士後期課程を経て現在は宮内庁書陵部図書課研究員。中世・近世の和歌史がご専門で、『三条西実隆』(コレクション日本歌人選、笠間書院)等のご著書があります。宮内庁書陵部着任までの経緯と、研究モチベーションの保ち方を伝授(口伝!)いただきました。書陵部書庫内の貴重なお写真も拝見。
島田泰子先生は、本学人間文化研究科助手を経て現在は二松学舎大学フフモッイハニア_オーオーイハニアケルヘ」、appマツヤリニスフィ教授。ご専門は日本語学。調査途中のセレンディピティの喜びなど研究上のお話だけでなく、教育職/研究職としての大学教員の○○○な現実までお話いただきました。
両先生とも共通していたのは__これは私たち教員もそうですが__知への飽くなき欲求、なにかを発見したとき(思いついたとき)の驚きと喜びでした。刺激に満ちた時間を過ごしました。
閉会後は教員不参加の、先生方と学生・院生との○○な対談もあったそうで。。。
本学会員の阪口由佳氏が萬葉学会奨励賞を受賞しました。詳細は萬葉学会のサイトに掲載されております。
今年の研修旅行は、大河ドラマにあやかったわけではないのですが、黒田官兵衛の居城だった姫路へ。
まず姫路文学館で、椎名麟三・和辻哲郎らゆかりの文人の資料を見学。ふだんは見られない貴重書や手稿も見せていただきました。ちなみに姫路城天守閣は半世紀ぶりの改修工事中。夏には白鷺城の名の通り真っ白な天守閣がお目見えします。今日のところは頭だけ。。。
カーフェリーで小豆島に渡り、自由律俳句で知られる尾崎放哉の記念館へ。句碑「障子あけて置く 海も暮れ切る」。放哉が最晩年を過ごし、「咳をしても一人」と詠んだ「南郷庵」。ここでも特別の御厚意で、開館時間を延長して見せてくださいました。
翌日は壺井栄の名作にちなんだ「二十四の瞳映画村」へ。
再び姫路に戻り、「西の比叡山」ともいわれる書写山円教寺を拝観しました。
今年の日ア特別講義は、日本大学教授の清水康行氏をお招きしました。
さて、蝋管(ロウカン)をご存じだろうか。
蝋管とは、蝋でできた管に音を刻みつけ再生するメディア、要するに円筒状のレコードのようなものだ。ダイヤモンドの針で振動を刻み、先の丸いサファイヤの針で再生するのだとか。録音再生装置は、最初エジソンによって発明された錫箔式のフォノグラフに始まるが、メディアがロウ式になったことで再生回数も格段にあがり、再生装置としての有用性も向上したという。今回の講演では、清水先生がお持ちくださったゼンマイ式の蝋管式蓄音機で、実際に音楽を視聴した。100年も前のものでゼンマイの持ちは悪くなっているそうだが、素敵な音だった。
こうした録音再生メディアによって、言語の、発音や語法について音声の面からアプローチできるという。今回は上記のほか、70歳頃のナイチンゲールの声(1890年録音)、快楽亭ブラックの落語(1903年録音)、そして1900年開催のパリ万博で録音された日本人の会話などを聴いたが、ふと思う。
私たちは何らかのテクストを文字で読むが、ことばが音であるという事実をつい忘れてしまいがちだ。かつては声をもってヨみ、ウタい、カタっていたが、そうした現場から遠ざかって久しい。テクストにおける複数の声の交差のありようをポリフォニーというが、実際に「昔の人の声」を聴き、感動しながらも落ち着かなさを感じたのは、そこにまぎれもない音があったからかもしれない。
なお、夏目漱石の声を録音した蝋管もあるらしいのだが、カビが生えていて再生不可能なのだとか。残念。どんな声で何を話していたのだろうと興味のつきない講演だった。
学園祭で盛り上がる11月2日(土・祝)、第2回オープンキャンパスが開かれました。共同研では例によって中国人形がお出迎え。昔の写本や版本や原稿(複製ですが)が展示されました。早速なにやら調べ始めた、頼もしい未来の奈良女生。
さて、教室には模擬授業を聴く人が集まってきました。尾山先生の模擬授業では、ふだん当たり前のように使っている漢字ひらがな交じり文の起源について話されました。
今回もたくさん来てくれてありがとう。教室でお会いしましょう!
奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センターの主催、日本アジア言語文化学会、およびフフモッイハニア_オーオーイハニアケルヘ」、appマツヤリニスフィ言語文化学科「ジェンダー言語文化学プロジェクト」の共催で、津田塾大学国際関係学科教授の木村朗子先生をお招きし、講演会を行いました。当日は満員の盛況でした。ご来聴ありがとうございました。
日本中世物語のうち、とくに異性装をモチーフとしたものを読み解きながら、中世宮廷社会のジェンダー、セクシュアリティ体制について考える。平安後期物語の『とりかへばや物語』は男女のきょうだいが互いのジェンダーを入れ換えることで、宮廷内のセクシュアリティの混乱をもたらす物語だが、このモチーフは、男装する女君だけを残すかたちで、『有明の別』『新蔵人物語』などへと変奏された。女のジェンダー、セクシュアリティに問題を引き絞ったときに見えてくる地平は、現代社会の問題と驚くほどよく似てもいる。前近代の物語から現代を照らして考えてみたい。
秋の恒例行事・特別講義、例年は外部から先生をお招きするのですが、今年度は本学教員の鈴木広光・谷口洋・磯部敦によるミニシンポを企画しました。題して、「テクストの厚み__物質・身体・歴史」。いつもとはまったく違い、円形に机を並べた教室にいっぱいの聴衆。壮観です。発言者のテンションも上がります。
テクストは、章・段落・句読点、あるいはノンブル(ページ番号)や字体など、さまざまな道具を使って編集されています。textという語はtextile(織物)と語源を同じくしています。しかしわれわれが受け取るのは織られたままの生地ではなく、多くの人々の裁断と縫製を経た衣服なのです。
ちなみに左下の写真の真ん中の人は、左右の身ごろと袖と全部色の違うシャツを着ています。
学生や他の教員からも活発な質疑があり、予定の時間を大幅に超過して盛況のうちに終わりました。
蘆北賞は、中国文学の研究に多大な業績を挙げられた立命館大学名誉教授橋本循博士を記念し、博士のご令室橋本ゑん夫人のご寄付を基に設立された財団法人橋本循記念会によって、中国文学に関する優れた研究成果に対して贈られている学術賞です。「蘆北」の名は、橋本循博士の雅号にちなむものです。
日本アジア言語文化学会が発行する『叙説』は、国語国文学の学術誌から、日本と中国の言語と文学に関する研究成果を発信するより総合的な学術誌に発展したことが評価され、第21回蘆北賞(学術誌部門)の栄誉に浴しました。これを励みに、さらなる充実を図って参る所存です。
本誌は奈良女子大学国文学会(のちに「国語国文学会」と名称変更)が発行し、国語・国文学に関する論文を主にして編集され、中国関係の論文としては古漢語や訓点語についての論考が掲載されることがあった。2010年4月に日本アジア言語文化学会と改まってからは日本と中国の言語と文学に関する研究論文を掲載する学術雑誌へと発展した。
最新号には、古代から近代に亘る広範な研究成果が示されている。今後も優れた論文が掲載され、学会に寄与することが大いに期待される。
授与式は2011年11月10日、からすま京都ホテルで行われました。本学からは代表として大平幸代准教授が参加し、受賞の言葉を述べました。
第36号(2009)以降の掲載論文は、奈良女子大学学術情報リポジトリで読むことができます(pdf形式)。
恒例の特別講義、本年度はヴェトナムから講師をお招きしました。ヴェトナムは日本同様、漢文を受容しつつ、自らの言語を表記するシステムを作りあげました。今回はその2つの伝統と両者の関わりについてお話しいただきました。
グエン ティ・オワイン(NGUYEN Thi Oanh)氏はヴェトナム社会科学院准教授で、ハノイにある漢喃研究院で越日の比較説話研究に従事されています。ハノイ外国語大学をご卒業ののち東京大学に留学され、文化人類学の末成道男教授の指導を受けられました。
これまでにヴェトナム語訳『日本霊異記』を完成させ(文学出版社、1999、ハノイ)、現在は『今昔物語集』本朝部のヴェトナム語訳に取り組んでいらっしゃいます。「漢字・宇喃研究院所蔵文献__現状と課題」(『文学』6巻6号、2005.11)、「ベトナム漢文説話における「雷神退治」のモチーフについての比較研究」(『アジア遊学』114号、2008.4)などの論文があり、ハノイ師範大学から博士号を授与(2005)されていらっしゃいます。