日時:平成23年1月22日(土)13:00~17:00
会場:奈良女子大学記念館2階 講堂
第一部
平成21年12月12日の「夾紵?乾漆」シンポジウムでは、
(1)「乾漆」は明治時代以後の新しいタームであり、実態を反映し歴史もある「夾紵」のほうがふさわしい名称であること
(2)牽牛子塚古墳出土「夾紵棺」には絹が用いられていること
の2点を明らかにした。今回のシンポジウムでは、その後の「牽牛子塚古墳」研究の進展、最新の科学機器を用いた「絹」の分析について報告する。
「奈良女子大学所蔵牽牛子塚古墳出土夾紵棺について」
宮路淳子(奈良女子大学)
「牽牛子塚古墳出土夾紵棺断片中の絹」
河原一樹(奈良女子大学)
第二部
阿修羅像を代表とする興福寺の八部衆、さらに十大弟子像は唐代に盛行した夾紵技法を今に伝える重要資料である。天平夾紵仏像の断片二点を材料に、科学分析と復元摸造から天平技術技法の秘密?阿修羅像の秘密に迫る。
「天平夾紵仏像断片の顕微鏡観察」
岡田文男(京都造形芸術大学)
「標準的夾紵技法による復元摸造」
矢野健一郎(仏師?東京藝術大学)
「楡(にれ)を用いた夾紵技法による復元摸造」
山崎隆之(愛知県立芸術大学名誉教授)