Symposium"明日香村牽牛子塚古墳から出土した夾紵棺の科学分析" (10th Sep. 2011)

【Program】

牽牛子塚古墳出土の夾紵棺の製作技術
 宮路淳子(奈良女子大学)

質量分析により明らかになった夾紵棺断片中の絹
 河原一樹(奈良女子大学)

夾紵の塗膜分析
 岡田文男(京都造形芸術大学)


 奈良女子大学では、文化財に残るタンパク質の質量分析によって、材質や製法を解明する方法を究明しています。女子高等師範学校時代の教材として保管されてきた、明日香村牽牛子塚古墳から出土した夾紵(きょうちょ)棺片の分析例など、最新の研究成果を報告します。
Symposium"Sumi and Nikawa" (21th May 2011)

奈良女子大学記念館2階 講堂

-Program-

「宋墨の謎に迫る―新出土資料から―」
  松尾良樹(奈良女子大学)

「膠のコラーゲンから読み取る科学文化社会情報」
  中澤 隆(奈良女子大学)

「元興寺文化財研究所と膠」
  植田直見(元興寺文化財研究所)

「川面美術研究所と膠」
  多田牧央(川面美術研究所)


 中国の墨の最高峰は明末に造られた「明墨」とされてきました。近年それ以前の墨の状況が少しずつ判明してきました。本シンポジウムの前半では宋墨の謎に迫ります。  墨の製造や文化財の修復に不可欠の接着剤である膠。その製造が現在危機に瀕しています。シンポジウムの後半では、膠を使用し、製造の経験を有する二つの研究所の報告、最新の科学分析を通して膠について考えます。
Symposium"KYOCYO" (22th Jan. 2011)

「奈良女子大学所蔵牽牛子塚古墳出土夾紵棺について」
宮路淳子(奈良女子大学)
「牽牛子塚古墳出土夾紵棺断片中の絹」
河原一樹(奈良女子大学)


II

「天平夾紵仏像断片の顕微鏡観察」
岡田文男(京都造形芸術大学)
「標準的夾紵技法による復元摸造」
矢野健一郎(仏師?東京藝術大学)
「楡(にれ)を用いた夾紵技法による復元摸造」
 山崎隆之(奈良大学)
Nara Women's University Special Lecture (11th Dec. 2010)
We are pleased to announce the lecture of Dr Ada E. Yonath, a 2009 Nobel Laureate in Chemistry, to be held on 11th of December at Nara Women's University. She is scheduled to come to Japan this December by the invitation of Osaka University of Pharmaceutical Sciences funded by Japan Society for Promotion of Science (JSPS) Award for Eminent Scientists.
Dr Ada E. Yonath, The Martin S. and Helen Kimmel Professor of Structural Biology in Weizmann Institute of Science, Rehovot, Israel, has succeeded in crystallizing and analyzing the X-ray crystallographic structure of ribosome by the study initiated more than 20 years ago, overcoming many difficulties associated with the complexity of the particle that consists of a large number of proteins and ribosomal RNA molecules for synthesizing proteins in living cells (see for details). She was awarded the Nobel Prize in Chemistry in 2009 along with Professors Venkatraman Ramakrishnan and Thomas A. Steitz for their studies of the structure and function of the ribosome.
Apart from the scientific achievement, she is the fourth Nobel Laureate in Chemistry following Dorothy C. Hodgkin, who awarded the Prize in 1964 for her determination by X-ray techniques of the structures of important biochemical substances. Is it a coincidence that these two awards separated by 45 years concern X-ray crystallography?
We believe that the lecture of Dr Yonath should inspire and encourage all who attend this fascinating event.
Symposium and Exhibition "Chinese Miao Jin (Gold Tracery) Lacquer, Japanese MAKIE" (4th Sep. 2010)

"中国描金漆器のさまざま"
松尾良樹(奈良女子大学特任教授)

"描金漆器の漆塗膜の分析"
岡田文男(京都造形芸術大学教授)

"蒔絵の技法"
田川真千子(高台寺掌美術館副館長)

コメンテーター:北村昭斎( 重要無形文化財保持者?人間国宝)
Symposium "Sumi" (5th Jun. 2010)

「中国における明墨?清墨の収蔵と研究」
松尾良樹(奈良女子大学古代学学術研究センター特任教授)

「MALDI-MS法による考古資料に用いられた動物膠のコラーゲンの種の同定」
中沢 隆(奈良女子大学教授)

「和膠の再興を目指して」
山内 章(元興寺文化財研究所彩色資料修復室室長)

「考古遺物としての墨資料」
山路直充(市川市立市川考古博物館学芸員)

「天然フラーレン?墨?正倉院御物」
大澤映二(豊橋技術科学大学名誉教授)
Symposium "Raden" (22th Mar. 2010)

「螺鈿四方盆?円盆の題材」
松尾良樹(奈良女子大学教授)

「貝のプロテオミクス」
中沢 隆(奈良女子大学教授)

「螺鈿漆器の損傷と修復」
北村繁(漆芸家?京都造形芸術大学講師)

「考古学からみたヤコウガイ」
木下尚子(熊本大学教授)
Symposium"膠(にかわ)が融合する文化財と自然科学"(23th Jan. 2010)

「膠に関する中国文献」
松尾良樹(奈良女子大学教授)

「文化財としての膠の先端科学分析によって何がわかるか」
中沢 隆(奈良女子大学教授)

「仏像の造形に使われている膠の技法」
矢野健一郎(仏師?東京芸術大学講師)

「膠コラーゲンの物理化学的基礎」
小林祐次(大阪大学名誉教授)