講義内容
スポーツを科学する
スポーツには大きな力が秘められています。2011年、女子サッカーW杯での「なでしこジャパン」の活躍(優勝)は東日本大震災で打ちひしがれた日本に一筋の光と勇気、感動をもたらしました。メガイベントと呼ばれるオリンピックやW杯にとどまらず、スポーツは私たちの身近なところで影響力を増し続けています。例えば、今や全国的なブームとなっているマラソン、あれほど苦しい競技になぜ人は惹かれていくのでしょうか。ただ単にスポーツは健康の維持増進に役立っているだけではなく、スポーツが産み出す人との出会い、コミュニケーション、コミュニティ(街づくり)、スポーツを通じて人生の充実感などにも注目が集まっています。
スポーツの本質や効能は、視点を変えることによって多様な姿を見せ、さまざまなイマジネーションがわいてきます。私たちの身近な生活と直結しうるスポーツのあり方を多角的に探求していくこと、それがスポーツを科学するということです。現在のスポーツを科学的?客観的にとらえる知識を身につけ、さまざまな事象に関して柔軟に対応しうる思考とからだを養っていくこと、それが私たちの目指す目標です。多様な専門領域から構成される教員が支え、皆さんとともに学びの過程を歩んでいきます。教員と学生による抜群のチームワークも私たちの強みの一つです。多様な視点からの学びとフィールドとの関わりが新たな可能性を生み出していきます。奈良女子大学?スポーツ科学コースで、「新たな自分とスポーツの関わり方」を一緒に見つけてみませんか。
スポーツ実習
私たちのからだは思うようには動かないものですが、試行錯誤しながら我が身の動かし方を工夫する過程を大切にした教育をしています。 特徴のある音楽を活かしたフォークダンスやリズムダンス、表したい感じを仲間と共有して自由に躍る即興的ダンス、構成を工夫した創作ダンスなどのダンス実習、マット運動 ?跳び箱運動?鉄棒運動?平均台運動といった基礎的な運動。また、テニスや陸上競技などの個人スポーツ、ソフトボールやバスケットなどのチームスポーツ、体つくり運動、剣道や薙刀、さらに、水泳など夏のスポーツ、スキーなど冬の野外スポーツを自然の中に身をおきながら習得していきます。
これらの実習科目における実践は、カリキュラム全体を通した理論と結びつけながら、学生一人ひとりの「腑に落ちる」学びを目指しています。
演習?実験
「地域連携運動演習」では、対象者のからだの状況やくらしのありように目をむけて、 そこにある問題を推測して短期運動プログラムを考案します。実際の運営や、活動分析および評価を含めた一連のプロセスを実習することにより、他者への言語的関わりや非言語的関わりが活動の展開にどのように影響するのかを具体的に理解します。地域住民の参加?協力を得て、地域に出向きながら進める授業です。
「実験」の授業では、主に2回生を対象として、スポーツ科学?体育学領域におけるデータ収集と分析の方法、レポートの書き方について、様々な方法論を身につけます。また、スポーツ科学領域の基本的な実験を全員で行ない、実験機器や測定機器の操作手法、データ処理法、統計的手法などを具体的に学びます。
「演習」の授業では、主に3回生を対象に、学術研究文献を取り上げて精読し、研究課題の背景や研究動向、研究方法を理解し、考察に至る道筋を読み解くことを重ねていきます。
取り組んでいるプロジェクト
1.地域と連携した学び 地域貢献事業「健康ならStep アップ事業」
平成14年~現在
私たちのコースの最大の特徴は地域──多様なフィールドとの接点をもっていることです。例えば、「健康なら21ステップアップ事業」では、さまざまな地域で活躍する指導者とともに運動を行い、人それぞれに適した健康について考え、地域の活性化に貢献する より実践的な術を身に付けていきます。また「ブリッジテラス」では、本学で学ぶ学生が 主体となって奈良に在住されている方々に運動指導を行い、健康の維持増進を図る場とし て、また、学生と住民のフィールドを結びつけ、人間性を育んでいくブリッジ──橋渡しと して機能する場を皆でつくり出しています。
2.附属学校園と連携した学び
奈良女子大学には幼稚園から小学校、中等教育学校(中校一貫教育)の附属学校をもっています。この幅広い年齢の子どもたちを対象に、人の発育発達に応じた運動能力や体力、生活実態を調査し、研究しています。コース学生は学生生活の中で自主的に調査に携わりながら様々な年齢対象と運動の場を通して関わります。他者の近くに自分のからだを置くことで身体的コミュニケーション能力を養い、年齢に応じた、さらに個々に応じた運動や健康について考える能力を培っていきます。
- 平成28年度 奈良女子大学プロジェクト経費
「体育嫌い?スポーツ嫌い」を生むメカニズムの解明
―本学附属幼稚園?附属小学校?天理市との連携による子どもの運動能力?運動習慣?認知機能?生まれ月の関係性の検討 - 平成24年度 奈良女子大学プロジェクト経費
ライフステージにおける体力?健康と運動履歴
―本学附属幼稚園?附属中等教育学校との連携による体力?生活運動習慣の検討から - 平成23年度 奈良女子大学プロジェクト経費
ライフステージの原点から体力?健康を考える
-本学附属幼稚園との連携による幼児の運動能力についての量的?質的検討- - 平成20年度 奈良女子大学プロジェクト経費
ライフステージからみた本学学生のヘルスプロモーション?プログラムの展開
-附属中等教育学校との連携による体力?生活?運動習慣の把握とトレーニング環境の整備- - 平成19年度 奈良女子大学プロジェクト経費
ライフステージからみた本学学生のヘルスプロモーション?プログラムの開発
-附属中等教育学校との連携による体力測定の実施- - 平成18年度 奈良女子大学プロジェクト経費
本学学生の体力及び健康運動行動の実態調査
-本学の特性を活かしたヘルスプロモーション?プログラムの開発に向けて- - 平成17年度 奈良女子大学プロジェクト経費
本学学生の体力及び健康運動行動の実態調査
-本学の特性を活かしたヘルスプロモーション?プログラムの開発に向けて-
教室の行事
4月
- 前期始まり
- 入学宣誓式
- 学部?大学院 前期ガイダンス
- コース新入生歓迎会
7月
- 水泳実習
8月
- 夏季休業
- 9月卒業者 卒論?修論提出
9月
- 3回生?合宿研修会
- 卒論?修論中間発表会
- 学部?大学院 後期ガイダンス
10月
- 後期始まり
- 大学院秋季入学宣誓式
- 博士後期課程秋期入学新入生ガイダンス
11月
- 学園祭 恋都祭
- コース行事スポーツ大会?親睦会
12月
- 冬季休業
1月
- 3月卒業者 卒論?修論提出
2月
- 卒論?修論発表会?反省会
- スキー実習
3月
- 卒業式?学位授与式
- 後期終わり
井上洋一先生 退職記念事業のお知らせ
このたび、奈良女子大学研究院生活環境科学系、並びに人文科学系において、長年にわたりスポーツ科学、及びスポーツ法学分野の研究と教育における中核として活躍してこられました井上洋一先生が、2023年3月31日をもって、定年退職されることになりました。先生の数々のご功績を讃えるとともに、長年のご指導に謝意を表し、また先生の今後のご健康を心から祈念する思いを込めて、最終講義、記念祝賀会、並びに記念イベントを以下の日程で開催いたします。
1. 最終講義「スポーツ法学の発展とともに」
2023年3月18日(土)15時~16時
奈良女子大学S棟235教室(申込不要)
2. 記念祝賀会
2023年3月18日(土)16時30分~18時
奈良女子大学S棟ラウンジ(要申込)
3. 退職記念イベント
① 最終実技
2023年3月18日(土)10時~11時30分
奈良女子大学テニスコート
- 雨天時 第1体育館(要申込)
② 記念シンポジウム
「スポーツ?体育と持続可能な開発目標 -わたしたちが先生から受け取ったもの」
2023年3月18日(土)13時~14時30分
- ?登壇者
- 渡部寿恵子氏(埼玉県立高校教諭)
崔允敬氏(株式会社ジャパン?スポーツ?プロモーション)
増田いと子氏(オムロンヘルスケア株式会社) - ?司会
- 成瀬九美、星野聡子
奈良女子大学S棟235教室(申込不要)
- OGの方を除き学外の方は原則としてご参加いただけません。以下の連絡先までお問い合わせください。
■ 連絡先:スポーツ健康科学コース(石坂)
yishizaka☆cc.nara-wu.ac.jp
☆をアットマークに変えてください。