研究事例の紹介
「持続可能性のデザイン」「いのちを守るデザイン」という2つのコンセプトの下、素材工学や情報工学、環境デザインといった専門分野を横断した研究を行います。こうしたコラボレーション研究を通して、生活者の視点からの工学を推進し、人と暮らしを中心としたものづくりを実践します。
研究内容
材料科学
黒子 弘道 教授
研究分野:高分子構造、固体核磁気共鳴法
繊維の性能?物性は分子レベルの高次構造と密接な関係があるため、高性能繊維開発のためには繊維の高次構造と物性との関係を明らかにすることが重要です。主に固体NMR及び量子化学計算を用いて繊維の高次構造と物性との関係を明らかにし、高性能繊維開発の基礎的研究から応用研究まで行なっています。
大背戸 豊 准教授
研究分野:有機材料化学、高分子化学
豊かな衣環境を提供できる高分子繊維や機能材料の創製を、高分子ゲルや分子性ゲルのようなソフトマテリアルにみられるソフトでフレキシブルな分子集合体形成を活用しながら進めていきます。また、これら研究の知見をもとにした新たな材料および方法論により、ユニークなソフトマテリアルを創製し、さらに豊かで新たな衣環境を創出する繊維?材料の基礎にしていきます。
山本 健太郎 准教授
研究分野:無機材料化学、電気化学デバイス
リチウムイオン二次電池など蓄電池を中心とした電気化学デバイスに利用される電極材料の電子?局所構造と特性との相関関係解明に取り組んでいます。電極材料の電子?局所構造については、特に電気化学反応条件下の状態を明らかにするため、シンクロトロン放射光を用いたoperandoまたはin situ X線分析技術を駆使しています。得られた知見に基づき、新規材料の開発も行なっています。
機能?分子デザイン学
三方 裕司 教授
研究分野:生物有機化学?生物無機化学
私の研究室では、有機合成化学の手法を用い、含窒素複素族化合物の特性を活用した蛍光センサーについて研究を行っています。その中で、蛍光センサー分子の一部の構造を少し変化させるだけで標的金属イオンが亜鉛イオンからカドミウムイオンへ劇的に変化する例もいくつか報告しています。
庄司 淳 助教
研究分野:有機化学、超分子化学
植物の光合成などをはじめ、光で機能する有機分子は身の回りにたくさんあります。また、このような分子が分子間相互作用で自発的に集合すると、単分子には見られない機能を示すこともあります。新規分子を合成し、それらの分子を自在に並べることで、人工光合成などを目指した光機能性の分子材料を創製することに取り組んでいます。
人間情報学
才脇 直樹 教授
研究分野:生活に関連する人間情報学及びHI,ウェアラブルコンピューティング
生活の中で人間や環境から得られる各種情報の計測?分析に基づいて、ヒューマンインタフェースを構築するための研究を行なっています。また、こうした情報システムを社会や生活環境に役立てるための応用研究にも取り組んでいます。対象は、健康看護、脳科学、農業、芸術、ウェアラブル、サービスサイエンス、家電や車等幅広い。
吉田 哲也 教授
研究分野:機械学習,データマイニング,データ解析
私たちの日常生活をより豊かなものにするために、計算機や情報技術を用いて,生活環境などのデータに隠れた関係や性質を見つけ出して活用するための研究を行っています。特に、膨大なデータに押し流されないように、データの関係に着目して新たな知識を見つけ出す研究を行っています。
佐藤 克成 准教授
研究分野:触感情報伝達,バーチャルリアリティ,五感インタフェース
優れた快適性と機能性に加え、生活を情緒豊かにする衣製品の実現を目指しています。五感の中でも触感に着目し、触感刺激が心身に及ぼす影響を、バーチャルリアリティの技術を応用して調べます。さらに調べた結果をもとに、触感を記録?再生する装置の開発や、触感技術の応用手法の検討に取り組みます。
安在 絵美 専任講師
研究分野:人間情報学,福祉情報工学,健康工学
人の暮らしや健康/医療/福祉を支え,質を高めるための支援技術の研究開発を行っています.例えば,高齢者の介護予防,スポーツ外傷予防,妊婦の健康見守り等を目指した計測評価技術および情報提示技術等です.関連分野の専門家や当事者と連携しながら現場での実証実験を繰り返すなど,社会実装に向けて取り組んでいます.
生体医工学
芝崎 学 教授
研究分野:生体医工学、生理学、運動学
専門は環境生理学?運動生理学で、暑熱環境や微小重力環境など特殊環境下における体温?呼吸循環調節メカニズムよその連関を研究対象としています。また、環境や運動負荷試験による中枢および末梢疲労が認知機能や運動機能への影響についても研究対象としています。
中田 大貴 教授
研究分野:認知神経科学、健康工学
ヒトの高次脳機能、特に運動制御?感覚?認知?感覚運動統合?実行機能?運動イメージに関する神経活動動態の可視化を目的として研究に取り組んでいます。また、感覚?運動機能向上を目的とした手法開発や、生体信号を元にした脳?認知機能を向上させる研究も行なっています。
大高 千明 専任講師
研究分野:生体力学、人間医工学
ヒトの“動作”特性に基づいたモノづくりに向けて、モーションキャプチャシステムや筋電図計測、フォースプレートによる床反力計測、など、生体力学の研究手法を用いて身体の構造や動きの力学的な仕組みの解明に取り組んでいます。さらに力学的知見に基づき、医療や福祉、人間工学領域への生体情報の応用を目指しています。
建築環境学
久保 博子 教授
研究分野:人間工学,温熱環境,睡眠環境,高齢者環境
生活に密着した視点で、健康で快適な生活を創造するための環境条件について、人間工学や建築環境工学の手法を用いて研究しています。トピックとしては、「暑さ寒さと在室者の快適性」「適正な冷暖房設備」「快眠のための環境調整」「高齢者の健康のための環境や空間」「暑さ寒さの個人差」などの内容で、学内外で共同研究を行っています。
藤田 盟児 教授
研究分野:都市?建築史,保存再生,建築芸術学
専門分野は、歴史的環境の調査?研究?保全活動です。社会に共有された記憶としての歴史的建造物や周辺環境を、共感を得て保全し活用するには、その価値を知らなければなりません。価値には合理的なものから美のような感性的なものまであり、その調査と研究を行います。
長田 直之 教授
研究分野:建築設計、都市デザイン、ルネサンス以降の近現代建築
現代建築の研究と実践をしています。特に、さまざまな集合住宅ー人々が集まって住むーの研究をしています。建築単体のデザインではなく、都市やランドスケープ、社会活動など建築を複合的に捉える視点を共有します。