文部科学省 「イノベーションシステム整備事業
地域イノベーション戦略支援プログラム(国際競争力強化地域)
『けいはんな学研都市ヘルスケア開発地域』」終了のお知らせ
「(イノベーションシステム整備事業)地域イノベーション戦略支援プログラム」は文部科学省が地域において培ってきた科学技術のインフラを活用して、これまでのクラスター形成活動等の成果を着実に発展させていくとともに、地域イノベーションの創出に向けた主体的かつ優れた構想を持つ地域(地域イノベーション戦略推進地域)に対して、関係府省の施策を総動員して支援を行う事業です。
公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構を総合調整機関とする「けいはんな学研都市ヘルスケア開発地域」は、平成23年度に、文部科学省、経済産業省、農林水産省の3省合同による地域イノベーション戦略推進地域「国際競争力強化地域」に選定され、併せて文部科学省の「地域イノベーション戦略支援プログラム」の採択も受けました。“心と体の健康を守るヘルスケアシステムの開発”を通してイノベーションを継続的に創出し、ヘルスケアクラスターを構築することを地域イノベーション戦略に掲げており、「無意識生体計測&検査によるヘルスケアシステムの開発」のテーマに取り組みました。
奈良女子大学は、このプロジェクトの「地域イノベーション戦略の中核を担う研究者の集積」および「地域イノベーション戦略実現のための人材育成プログラムの開発及び実施」を担当しました。
研究者の集積では、城和貴教授をリーダーに外部招聘研究者の梅田智広特任准教授(現奈良県立医科大学教授)が天候予測によって健康アドバイスを行なう「健康みはり」、「お天気料理」、レーダーを使って呼吸数を非接触で測定する「レーダーセンサ」、ウェラブルで常時、体温・体の傾き・心拍数・ストレスを測定する「バイタルセンター」を企業と共同して商品化しました。これらの成果は奈良県立医科大学に引き継がれ、多数の企業が参加する「MBT(Medicine-Based Town)コンソーシアム」を支える重要な技術となっています。
人材育成では、小林毅教授をリーダーに村上路一他のコーディネータが国や市町村の財政を圧迫している医療費や介護費を抑制するため、体組成計、貧血計、血管年齢計、酸素飽和度計などの非侵襲装置で市町村の公民館や保健センターや商業施設を巡回して地域住民の健康度を測定し健康リテラシーを向上させる「健康キャラバン」を考案・実施しました。奈良県、明日香村、生駒市、宇陀市、香芝市、葛城市、木津川市、下市町、奈良市の健康増進課、保健センター、医師会、薬剤師会、公民館、自治会、総合型スポーツクラブ及び奈良女子大学、奈良教育大学、龍谷大学の生活協同組合と協力して延べ8,000人の方を測定し、参加した地域住民の75%以上が食生活改善、運動改善、特定健診受診、がん検診受診など行動変容に繋がるという成果を上げました。この活動は文部科学省からも住民参加型の地域イノベーションと高く評価され、奈良県立医科大学や同志社大学および企業に引き継ぎ、香芝市、木津川市などで来年以降も実施される予定です。また、この過程でベンチャー企業を設立し、各省庁・自治体・企業が募集している補助金を検索できる「グラント・スクウェア」というサイトを運営しました。この結果、現在、理・工・農・医などの大学研究者向けとしては日本最大級の補助金検索サイトとなりました。
事業期間
平成23年度〜平成27年度
参画機関
【学】
奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学、京都府立医科大学、奈良県立医科大学、
同志社大学、大阪電気通信大学、産業技術総合研究所関西センター
【産】
関西経済連合会
【官】
京都府、大阪府、奈良県
【金】
南都銀行、京都銀行、関西文化学術研究都市推進機構
〈参考〉
文部科学省のホームページ
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/chiiki/program/index.htm