大日如来
高山寺所蔵
(和歌山県立博物館寄託)
絹本著色 94.8cm×37.6cm
宝冠をかぶり智拳印を結ぶ大日如来である。台座の右下部分に欠損がある。
軸木部分に「琢磨大日 正面南寺□□密寺□」(上から重ね書きがありよく読めない)とある。「琢磨」は、球や石を磨くように、たゆむことなく努めること。
裏書には「此一軸者、石風呂地蔵堂宝光庵一代阿闍梨盛音所持物也、没後為冥福寄附于当山者也、音之仮名観心(再興或在観音寺)命辰 天明八戊申十月十八日蘇悉地院十世義澄記」とあり、石風呂地蔵堂宝光庵(未詳)の「盛音」の所持の品であったが、その没後、冥福を願って高山寺に寄贈されたことがわかる。天明八年は一七八八年、「蘇悉地院」は高山寺の異称で、「義澄」は第一〇世住持である。