光合成するウミウシで大規模な自切と再生を発見―心臓をなくしても大丈夫。驚くべきウミウシの能力―(3月9日)


 本学大学院人間文化総合科学研究科の博士後期課程1年の三藤清香さんと遊佐陽一教授は、ウミウシの仲間「嚢舌類」(のうぜつるい)の2種において、大規模な自切・再生現象を発見しました。これらのウミウシは、心臓を含む首元より後方の体(全重量の80%以上)を自切した後、頭側からほとんど元通りに全身を再生することができました。「自切」は、両生類やトカゲ類、節足動物等、広い分類群の動物で見られる現象です。多くの場合、尾や脚といった体の末端部分を自発的に切り落とすことで、本体が捕食から逃れることに役立ちますが、複雑な体制をもつ動物が、心臓を含む体部を完全に失っても生存し、再生する例はほぼ知られていませんでした。今回見られた現象は、知られている限り最も大規模な自切の例だと言えます。
 本研究成果は、国際学術誌「Current Biology」で公開されています。

自切直後のウミウシ(コノハミドリガイ)


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>原論文
 Extreme autotomy and whole-body regeneration in photosynthetic sea slugs

参考動画