9月29日(月)〜10月1日(水)
会場:
29日は奈良女子大学理学部C棟4階 C431(数学演習室)
30日、1日は奈良女子大学E棟101教室
プログラム
9月29日 月曜日
13:30〜16:00 蒲谷祐一氏(東京工業大学)
アブストラクト:
3次元多様体の基本群のSL(2,C)表現の空間の"無限遠 点"としてideal
point というものが定義される。Culler-Shalenによりideal pointと
3次元多様体の essential surfaceには対応がある事が知られている。
一方、3次元多様体のSL(2,C)表現をパラメトライズする方法と して
ideal triangulationを 用いる手法がある。SL(2,C) 表現が ideal point
に近づくとき、パラメータとなる ideal tetrahedron は退化すること
がわかる。Ideal tetrahedron の退化の仕方と Culler-Shalen による
essential surface の関係が Yoshida により示されている。この関係
から逆に(essential かどうかはわからない) surface があるときに
ideal point の"候補"が見つかる事がわかる。この"候補"が実際に
ideal point に対応している事を保証する一つの判定法が存在する。
(実際に ideal point に対応している事がわかると元の surface は
essential surface に対応している事がわかる。)
本講演(及び30日の講演)では
・Ideal triangulation による PSL(2,C) 表現の記述、
・Yoshida による ideal point と ideal tetrahedron
の退化の関係について、
・Ideal point である事の判定法、
・Bounary slope の計算への応用、
について述べる。
談話会
16:30〜17:30 蒲谷祐一氏(東京工業大学)
題目:
Heegaard diagram から ideal triangulation を生成する
コンピュータプログラムについて
アブストラクト:
Weeks のコンピュータプログラム SnapPea は ideal triangulation
を用いて3次元多様体の双曲構造を計算する。また、その双曲多様体の
様々な不変量の計算、hyperbolic Dehn surgery の計算、canonical
triangulation を用いた同相の判定、などの高機能を備えている。
SnapPea は与えられた link の補空間の ideal triangulation を生成す
る機能を持っているので link の補空間に対して双曲多様体の不変量の
計算や、同相であるかどうかを判定する事ができる。談話会では
Heegaard diagram から ideal triangulation を 与えるプログラムと
そのアルゴリズムを紹介する。このアルゴリズムから link の補空間
の ideal triangulation を与えるアルゴリズムも簡単に説明できるの
でそのことについても述べる。
9月30日 火曜日
10:00〜12:00 蒲谷祐一氏(東京工業大学)
13:00〜17:30 蒲谷祐一氏(東京工業大学)
題目: Ideal points, essential surfaces and degenerations of ideal triangulation II
10月1日 水曜日
10:00〜12:00 蒲谷祐一氏(東京工業大学)
13:00〜17:30 蒲谷祐一氏(東京工業大学)
題目:
:Finite surgeries on three-tangle pretzel knots
(Futer, Ishikawa, Mattman, Shimokawa氏との共同研究)
アブストラクト:
Hyperbolic knot の Dehn surgery で基本群が 有限になるものは
finite surgery と呼ばれる。本講演では(-2,p,q)-pretzel knotは
p,q ≧ 5でfinite surgeryが存在しない事を示す。((-2,3,q)-pretzel
の場合は Mattman により finite surgery の分類が既に知られている。)
我々の証明の方針は以下のとおりである。
(-2,p,q)-pretzelの補空間に対し、p, q回のtwistのところをそれ
ぞれ自明な knot でくりぬき、link の補空間を作る。この補空間
に対して Agol と Lackenby により示された 6-theorem を適用する。
しかし、この手法では証明できない部分が存在する。それらに対し
ては
(1)ある無限群への全射を構成する、(2) Boyer-Zhangの結果を用いる、
ことで証明する。
Boyer-Zhang により finite slope に対する Culler-Shalen ノルム
の値には制限がつく。Culler-Shalen ノルムは ideal point の計算
から求まるので、ideal pointを求めてCuller-Shalenノルムを評価し
finite surgery の非存在を示す。この結果は Ichihara-Jong により
Heegaard Floer homology の結果を用いてより一般的な形で証明されて
いる事を注意しておく。すなわち hyperbolic Montesinos knot の
finite surgeryは(-2,3,q)-pretzelの形のものからしか出てこない事が
示されている。
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7月4日(金)〜5日(土)
場所:奈良女子大学理学部C棟4階 C431(数学演習室)
プログラム
7月4日 金曜日
16:20〜 逆井卓也(東工大情報理工)
Genus invariants of 3-manifolds associated to homology cobordisms of surfaces
Abstract:
A homology cylinder is a homology cobordism between surfaces with
markings of its boundary. From each homology cylinder, we can obtain
a closed 3-manifold by using an operation called a "closing".
It can be regarded as a homological analogue of an open book decomposition
of a closed 3-manifold. We discuss three kinds of genus invariants
(open book genus, homology cylinder genus and handle number) of
3-manifolds associated to homology cylinders and their closings.
The contents of this talk include a joint work with Hiroshi Goda.
7月5日 土曜日
9:00〜10:30 逆井卓也(東工大情報理工)
Topology and frontend technology , programming paradigm 1
(mathematica入門とTeruaki for Mathematica の紹介)
10:40〜12:10 桐生裕介(スタジオフォンズ)
Topology and frontend technology , programming paradigm 2
(mathematica応用とフロントエンド技術の紹介)
13:00〜14:30 逆井卓也(東工大情報理工)
Topology and frontend technology , programming paradigm 3
(mathematicaの機能紹介とプログラミング)
14:40〜16:10 桐生裕介氏(スタジオフォンズ)
Topology and frontend technology , programming paradigm 4
(mathematicaのフロントエンドとプログラミング)
7月5日の講演は、トポロジーの研究者を対象にしたmathematicaとトポロジー研究に重点を置い
た内容です。Mathematicaの初心者の方から経験者を対象に、事前知識の必要無い形式で講演を
進めます。特に午後の講演は、会場に mathematica ver6の使える環境を用意し、短めの講演と
談話を交えた形式で進めます。 マシンの設置台数は五台を予定しています。会場へのマシン持
ち込みも大歓迎です。
7月4日の講演終了後に懇親会を開催します。懇親会については当日受付をします。
世話人:小林毅(奈良女子大学)、市原一裕(奈良教育大学)