スポーツ法学、スポーツ政策学分野
研究院 生活環境科学系 スポーツ健康科学領域 専任講師 平塚卓也
スポーツに関する法や政策の形成過程に関する研究
オリンピック競技大会に象徴されるように、スポーツ活動と政府活動の関係を切り離して考えることは難しくなってきています。ただし、政府がスポーツにどのように関与するかは、一様ではありません。例えば、スポーツ政策を所管する中央行政組織は、日本では文部科学省の外局のスポーツ庁ですが、イギリスでは文化?メディア?スポーツ省、フランスではスポーツ?オリンピック競技大会?パラリンピック競技大会省、アメリカでは保健福祉省であり、その組織形態は各国で異なります(2023年時点)。では、なぜ、このような制度配置の違いが生じるのか、あるいは、このような制度配置の違いがスポーツ政策の帰結にどのような影響をもたらすのか。このような問いについて考えています。
また、最近では、部活動の地域移行が話題になっています。その背景には、教員の長時間労働や少子化などが挙げられていますが、なぜ、このタイミングだったのでしょうか。教員の長時間労働や少子化は、最近になって突如として現れた問題ではないはずです。けれども、何かをきっかけにして、いまこのタイミングで解決すべき公共的な問題として認識(アジェンダ?セッティング)されたわけです。これは、なぜか、どのようなメカニズムなのか、こんな問いについても考えています。
いま、目の前で起きているスポーツ活動が、なぜ、そのようになっているのか。法や政策という視点から考えてみるのはどうでしょうか。