個人、地域から国のレベルまで、スポーツは、健康や文化、教育さらに政治・経済などの観点から多様な価値が認められ、その意義が高まってきました。しかしその一方で、人権、環境、契約、教育、安全などについて法的な課題も生じています。たとえば、参加資格や代表選手の選考、ドーピングによる資格剥奪、自然環境の保護と施設、プロ選手の法的地位、子どものスポーツ機会、スポーツ指導での暴力行為や体育・スポーツ事故をめぐる責任など、世間をにぎわす出来事も多く起こってきました。このようなスポーツの新しい問題を公正や安全という法的視点から研究しています。
スポーツ指導の対象者は、幼児から青少年、高齢者に至るまで多様であり、そこでの指導者や管理責任者は有給無給に関わらず指導契約上の法的責任が生じます。そしてその注意すべき事柄は広範なもので、それらは安全な環境だけでなく平等機会の保障など参加者に対する様々な配慮が求められます。諸外国の先進事例を比較検討することにより、公共施設、商業施設を問わず、我が国のスポーツ指導実践に生かすことができます。