INTERVIEW 2
宇宙×ロボット×芸術
- 才脇 直樹奈良女子大学
研究院工学系教授・副学長
- 中須賀 真一東京大学
大学院工学系研究科 教授
- 国本 利文ヤマハ株式会社
研究開発統括部フェロー
- 石黒 浩大阪大学
大学院基礎工学研究科 教授
変わりゆく宇宙研究とロボット工学。ものづくりが世界を拓く自由をもたらす。
才脇
今の女子高校生が学びたい工学分野を調査したところ、宇宙やロボット、関連する情報処理、そして芸術工学が上位にありました。宇宙工学が上位にあることについてどのように思われますか。
中須賀
私が研究してきた宇宙工学のなかで、「現場でモノが動く」という楽しさや嬉しさを感じたくて、新たに始めた分野が〈超小型衛星〉です。それまでJAXAなどの開発した衛星の重量は数トンという巨大なものでしたが、私が最初に手掛けたのは重量1sの超小型衛星でした。秋葉原で部品を買って作ったもので、開発費は約250万円、当時の衛星開発費の1万分の1です。小さな衛星を自分たちで製作できるようになったことは、私たちに新しい宇宙開発を展開できるという自由をもたらしたのです。
超小型衛星の開発からスタートした研究は、その後徐々に広がり、深宇宙にいくような衛星や、月の裏側に行く衛星、科学衛星や通信衛星、地球の写真を撮れるような観測衛星など、さまざまな衛星の製作につながりました。そして、衛星をただ製作するだけでなく「どのように利用していくのか」を考える機会ももたらしました。この「利活用」という観点で、これまでに宇宙利用されていない、さまざまな分野の知見を得るために、多方面の分野の方とコラボレーションしているところです。工学が、ものづくりによってその利用も含めた新しい世界が開かれることを示すよい例だと思います。ぜひ奈良女子大学との関わりによって新しい何かが生まれることを期待しています。
石黒
私が研究しているロボットは、かつては機械工学や制御工学などの工学部的な分野の一つでした。しかし研究や産業が進むにつれて、段々と日常の生活の場でも使われる対象になってきました。また、産業ロボットでは、2000年ぐらいに、人と日常生活の場で関わるロボットを製作していこうという「ヒューマンロボットインタラクション」研究が始まりました。新たな研究分野が出てきたことにより、非常に幅広い分野の人と、連携していく必要がでてきています。例えば「ロボットとは何か」を考える哲学とか、認知科学や脳科学とも連携するのです。また一方で、日常生活の中では何が起こっていて、どのような場面にロボットが使えるのかを幅広く一般の方とも情報交換しながら研究を進めるようにもなっています。今のロボット研究は、多様な人を巻き込みながら進めていく必要性が出てきています。
工学の可能性と女性の活躍。新たな研究分野は日々増えている。
才脇
工学の世界は、男性の世界のように受けとめられる傾向があります。しかし、これからの工学を考えるうえで、女性の活躍は必要不可欠だと言われています。
石黒
おっしゃるとおりです。特に女性の研究者の活躍はとても重要です。「ヒューマンロボットインタラクション」では、最初の国際会議のボードメンバーは10人中7〜8人は女性でした。MIT(マサチューセッツ工科大学)やCMU(カーネギーメロン大学)などの人たちで、こうした女性の方の主導で、国際的な会議が進められていたと記憶しています。見逃せないのは、20年以上も前から、新しいロボット研究の分野を女性の研究者が主導していたという事実です。残念ながら日本は未だこのような状況にありません。さまざまな理由があるのだと思いますが、日本ではこのような体験を女性が得る機会がありません。ヨーロッパでも、新しいロボット分野で大事なポストについている方の中に、多くの女性がいます。産業ロボットの分野ではまだ少ないですが、日常生活のロボットの分野では、男性だけでなく、日常生活を肌身で感じる女性が活躍するのは普通のことなのかもしれません。女性研究者の活躍が乏しい日本ですが、これからは女性が働きやすく研究しやすい環境を作る必要があると思います。
国本
ヤマハ株式会社での女性の活躍を考えてみると、私が入社した頃は、女性の入社は工学分野ではマーケティング系に限られ、技術者ではほとんどいませんでした。しかし、この30年間でコンスタントに女性が増えてきて、活躍の場も増えてきています。それは必然性があるからでしょう。ヤマハ株式会社で活躍している女性たちは、マーケティング系に次いで、コンテンツ開発や感性音響工学的な分野が多いと思います。女性のもっているセンスや志向性といったものが音楽との相性がよいので、音楽と音響というところで女性工学者に対する需要が年々増えてきています。
楽器に限らず、日本の消費行動は20世紀から21世紀に大きく変わりました。特に第二次世界大戦後の高度成長期には、どのようなものを作っても新しいものなら売れるという時代が続いていました。それが21世紀に入ると大きく転換しました。お客様に評価されて喜んでもらえるような商品しか売れない時代に入ってきて、商品もどんどん淘汰されていったのです。例えば、家庭で使いやすいとか、楽器も弾いていて本当に満足感があるとか、音響も音がよいだけではなくて小さいとか、電池で動くとか、求められることが増えて、技術開発も研ぎ澄まされて難しくなってきています。バッテリーも、リチウムイオン電池の扱いなど非常に難易度が高い。そのため研究者は、工学系でも大きな範囲をカバーする必要があります。感性を研ぎ澄ますことが重要になってきました。
そのような状況のなかで、女性が活躍するチャンスが増えてきているのだと思います。音楽や音というものは、人間が生きていくためには必要なものです。人間は生命を維持しているだけではなく、エンターテイメントや情報なども人間にとっては大事です。だから音楽や楽器が必要で、これらがないことは人間にとって苦痛です。これからの時代、楽器のあり方もさらに変質し、カバーする範囲が広がっていくのではないかと思っています。
石黒
ロボットについても同じことが言えると思います。産業ロボットなど特殊な環境の中で働くロボットのほかに、日常生活で活躍するロボットの研究の幅が広がってきています。かつてロボットはロボットの世界だけで働ければよいという考え方が主流でしたが、現在はロボットがサービスを提供する相手は人間や、人間の生活になろうとしてきています。このような状況になると、家庭の中でどのようにロボットを使えばよいのかをきちんと考えていくことが重要になってきます。この考え方が、そのまま研究になるという時代になってきたのです。 それがロボットの研究を、本当に世界に通用するような研究に押し上げていく力になるのではないでしょうか。他にも、スマホで使うアプリなどのツールを作る分野でも、女性が増えてきています。日常生活に直接的な影響を与えるようになって、さまざまな知恵が必要になってきています。
宇宙×ロボット×音楽の研究の可能性。国際宇宙ステーションにロボットを。
才脇
奈良女子大学の工学部では、さまざまな分野が意見を出し合って、新しいことにチャレンジできる仕組みをつくりたいと考えています。例えば、宇宙とロボットと音楽の分野を連携させた研究の可能性はあるでしょうか。
石黒
以前、「ロボノーツ」というNASAの研究プロジェクトと交流しました。ロボノーツとは、国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を送るより、ロボットを送るほうが船外活動などの負担が少ないので、遠隔操作型ロボットを置いて、宇宙飛行士と連携して働かせるという構想でした。最初に開発されたロボノーツは、顔は鉄の仮面を被った悪魔のロボットのようなひどいデザインでした。しかし、「宇宙飛行士と一緒に働くのなら、アンドロイドのような人間のような姿がよい」というので、最終的にはアンドロイドのような顔で作りました。近い将来、宇宙も「生活の場」になっていきます。そうなると、どのように人とロボットが関わればよいか、さまざまな実験が必要になります。生活の場は人々が連携しながら問題解決しないといけないので、「環境の中でのロボットは、どのような役割があるのか」を考えることは、楽しい研究課題になるのではないでしょうか。必ずロボノーツのようなプロジェクトは、またすぐに訪れるという気がしています。
中須賀
国際宇宙ステーションは人がいると、莫大な費用がかかります。宇宙飛行士に何か作業を頼もうとすると1時間当たり約100万円の費用がかかります。人がいると水や食糧をはじめ、さまざまなものを運ばなくてはいけないし、何か危険が起こらないように地上でたくさんの人が監視しなくてはいけません。これからは、人とロボットの協調が必要なのです。今も国際宇宙ステーションでの人間の作業の多くは、実は宇宙ステーションで飼っているネズミの世話をすることだと言われていて、このような作業をロボットに変えていくことが必要です。さらに将来的には、国際宇宙ステーションの中でロボット技術を徹底的に鍛えて、将来の惑星上、月周回の宇宙ステーションなどで、少しの人間とその他の多くはロボットがいるような環境になっていくことが、自然な流れだと思います。そうした時に、石黒先生がおっしゃったように、人間的な温かみのあるようなロボットが、人間にとって必要とされます。今後は、地上だけでロボット研究をするのではなく、実際に宇宙空間でロボットを開発するような実験をできるようにしたいものです。こういった研究は、宇宙開発以外の分野のアイデアも入れながら進められるとよいと思っています。それからもう一つ、地上にいる人が宇宙にいることを感じるような体験、「アバター」の研究です。実はANAがスタートしていて我々も組んで研究していますが、宇宙ステーションにアバターを送り込んで地上にいる人は宇宙空間の中にいるような感覚を味わえるのです。これからは、宇宙にいる人がロボットの便益を感じる研究や、地上にいる人がロボットを使って宇宙に行った疑似体験ができる研究など、研究分野は非常に広がっていくと感じています。
宇宙×ロボット×音楽の研究の可能性。宇宙ミュージック、ロボットと音楽のセッション、AI。
才脇音楽や音響の技術についても、宇宙ステーションを対象に研究できるでしょうか。
中須賀
宇宙飛行士が閉鎖環境で長期間を生きていくときに、快適に、そして精神衛生上の健康を維持したままで生きていくためには、音楽はとても大切です。また、音楽との関係で考えると「宇宙ミュージック」というのが、そろそろ出来てきてもよいのではないでしょうか。例えば、宇宙の放射線などをベースに宇宙的な音楽が出来てきて、それを地上の人が楽しむのです。こういったものも、いろいろ試行錯誤的に出てきてもよいでしょう。宇宙で起こる放射線が当たると半導体が0と1とが反転するような現象が起こるのですが、以前、こうした現象を一つの音楽にできないかと試したことがあります。
石黒
私は、渋谷慶一郎さんという音楽家と一緒に「ロボットと音楽のセッション」の活動をして世界中で公演しています。アンドロイドに、オーケストラの指揮者をやらせるのです。アンドロイドは途中で歌いだし、アンドロイドの指揮がランダムに変わっていきますが、それを一生懸命にオーケストラがフォローしていって、人間とアンドロイドが協調します。すると不思議なことに、アンドロイドが人間のように感じられるのです。人間とロボットが音楽でつながると、人間らしさや人間の生命感というものが、ロボットに乗り移るような感覚がします。音楽は、無機質なものと人間との間をつなぐ、共通言語のような役割があるのかもしれません。そこにロボットが入ってくると、もっと音楽の可能性は広がり、新しい楽器の開発や、新しいオペラやオーケストラの方法などに発展していく気がします。
国本
音楽・音響開発の現場では、AIを用いて音声合成や信号合成を使う研究や、スヴャトスラフ・リヒテルさんというピアニストの演奏を再現する研究が進んでいます。宇宙と音楽や音響という視点で考えると、また新しい取り組みができるのではないかと期待してしまいますね。
科学と芸術と技術は接している。芸術家への理解なしには開発はできない。
才脇
研究と芸術との関わりについて、お話しいただけませんでしょうか。
国本
30年以上会社で楽器を作った立場から言うとすると、あまり芸術と技術の間に線を引かないことが重要だという気がしています。芸術と技術を融合させたものとして楽器があるからです。私自身、自分で楽器を弾くこともありまして、もちろん下手なのですが、仕事柄、プロの演奏家とお会いして話すことがあります。チック・コリアさんや坂本龍一さんなど、いろいろな方と話をすることがありました。その時に、そこで線を引いて「私は技術を担当します、芸術はそちらにおまかせします」としていてはダメなのですね。芸術家が向いている方向性や創造物の理解なしには、楽器や音響をよくすることはできません。拙いながらも理解しようとする努力は、よい製品の開発に結びついてきたと思っています。
石黒
ロボットは、理屈だけで作れません。全ての製品が完璧に設計されるには、人間についての完璧な知識が必要になるわけですが、人間の機能を再現しようとするにはまだわからないことも多いので、芸術的なセンスや直感で補う必要があります。その意味で、科学や技術と芸術は、常に接点を持ち続けていかないといけません。国本先生がおっしゃるように、音楽には芸術的な要素が強いですが、一方で技術がないと新しい楽器は作れません。芸術と技術は分離しているものではなくて、常に一体なのです。新しいものを作っていくうえでは、芸術と技術が必ず必要です。私の研究の役割は、芸術的な直感で作った新しいものから普遍的な人間の特徴や性質とか、ロボットの性質を見定めていって、それを技術にしていく、そのような作業をしているような気がします。研究で多くの分野と連携をしていますが、私たち研究者や技術者が知らないようなおもしろい直感で何かを作られることがあります。「すごくいい」と思うところには必ず理屈があるわけで、その理屈を私たちが技術や理論を見つけにいくというコラボレーションができるとよいなと期待しています。
幅広い一般教養が大切。アンテナを張って興味のあることを探してほしい。
才脇
奈良女子大学を目指す高校生に、大学4年間をどのように過ごしてもらいたいと考えていますか。
石黒
工学部は、専門科目を2年生や1年生でも学ぶようになり、学生は勉強しないといけないことが増えています。そして大学院にはほぼ全員が進学しています。おそらく奈良女子大学でも6年かけて教育を受けることになるのではないでしょうか。そのため4年間の教育課程の中では幅広く学んでほしいです。特に、リベラルアーツにも興味をもって取り組み、ぜひ自分の考え方のベースを作る哲学や芸術などをきちんと勉強してもらいたいです。いろいろな発想を生むためには、リベラルアーツはとても重要です。リベラルアーツはたくさんのおもしろい科目があるので、興味をもって勉強してもらうことは、その後の専門科目につながる大事な学びになってきます。
国本
大学時代を振り返って思うのは、「あの時いろいろな単位を取っておけばよかった」ということです。企業に入社して社会に出ると、幅広く学んでおいたことがとても役に立ったし武器になりました。勉強はパラドックスの連続で、高校時代の勉強も、中学校の数学や小学校で学ぶ算数も、あとで「あの時に算数をしっかりと勉強しておけばよかった」と思うことがあるのではないでしょうか。いろいろと幅広く学んでいただきたいです。
中須賀
大学にはいろいろな授業があるので、自分がどういった分野に行けば一番集中でき、ずっと楽しくやれるのか、アンテナをいっぱい張っておくことが大切でしょう。高校時代にそれができている人はそれに合わせて大学を選んでいると思いますが、大学はそのような興味を見極め、見つけるための場でもあります。また、大学の先生の話を聞くことで、自分がどのような分野にビビッと反応するのかということを見極められます。そしてそれが将来の自分の仕事や、人生の目標になることがあります。最近の学生を見ていると、枠組みが決められた中で与えられた問題を最適に早く解いて処理していくことにはすごく訓練を受けている印象があります。これからは、決められた枠組みをどのように突破していくのか、あるいは枠組み自体をどのように変えていき新たに作っていくかということが大学では重要になってきます。そのためには、好奇心と問題解決力がとても大切。しかも、何としてでも知りたいとか、何としてでも突破したいという強い思いがあるからそこにブレイクスルーが起こるのです。一人ひとりがそれだけ強い思いをもてる分野や対象は何かを、見極めてほしいです。
工学は、人間や世界の幸福を考える学問になる。
人間に寄り添う快適なものを開発する感性が求められている。
才脇
これまで工学に直接関係なかった人のアイデアが違った切り口をもたらすかもしれません。奈良女子大学の工学部はそうしたことも期待しています。これから工学部受験をする女子高校生にエールをお願いします。
石黒
昔は、工学で特にロボットの分野では、設計や制御ができないと研究できないという考えがありました。しかし、今はそんなことはありません。最近の人工知能の研究では、たくさんのツールが誰でも簡単に使えるようになり、そのツールをどのようにどのような場面で使うかという研究が重要になってきています。バックグラウンドが必ずしも機械工学や、コンピュータのプログラミングではなくても、活躍できる場は増えてきています。自分が今まで勉強してきたことや、得意なことから考えて、「私はロボット研究に向いていない」とか、「宇宙研究に向いていない」とか、「音楽の研究に向いていない」とか、そのように考えてほしくないですね。自分の興味に素直になって、バリアを取り払って、積極的に新しいことにチャレンジしてもらいたいです。
中須賀
これまで工学は、より早く、より効率的に、より強い力でなど、ある程度向かうべき方向が見えていて、それに向かって研究してきました。しかしこのような工学は限界がきていて、もう行くところまで行ってしまった。これからの工学は、「人間が幸せになる世界を作るために」とか、「地球上で地球人が長く生きていけるために」という方向に変えていかなくてはいけないのです。つまり工学の目標自体が、大きく変革を要求される時代になってきています。このように目標自体を大きく変革する時には、本当に多くの知見がいります。工学的な問題解決の手法だけではなく、より広い視点で考えられる人材が、今後絶対に必要になってきます。新しい工学部の目標を作ってくれる人たちを大変期待するところです。
国本
間違いなくこの先は、人間が楽しみ、人間に寄り添ってくれるより快適なもの、情動に訴えかけるもの、そういったものがよい製品になっていきます。工学を使って製作する商品、製品といったもののイメージが変わってきているのです。そのような感性のある研究者や、工学者たちは、実は女性には多いという思いがあります。実際、企業の方向も、全体としては女性が活躍する場が増えてきています。ぜひたくさんの人たちのチャレンジを待っています。
プロフィール
石黒 浩
Ishigro, Hiroshi
大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
工学博士
1963年生まれ。ATR石黒浩特別研究所客員所長&ATRフェロー。知能ロボットと知覚情報基盤の研究開発を行い、次世代の情報・ロボット基盤の実現をめざす。人間酷似型ロボット研究の第一人者。2007(平成19)年、英Synectics社の「世界の100人の生きている天才」で日本人最高位の26位に選ばれる。2011年に大阪文化賞、2015年に文部科学大臣表彰を受賞。主な著書に『ロボットとは何か』(講談社)、『ロボットは涙を流すか』(PHP研究所)、『人と芸術とアンドロイド』(日本評論社)、『人間とロボットの法則』(日刊工業新聞社)、『枠を壊して自分を生きる。: 自分の頭で考えて動くためのヒント』(三笠書房)など。
国本 利文
Kunimoto, Toshihumi
ヤマハ株式会社 研究開発統括部フェロー
博士(情報学)
1957年生まれ。ヤマハ株式会社研究開発統括部フェロー。北海道大学工学院電気工学科在学中に立東社の「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」のライターとして業界デビュー。ヤマハ株式会社に入社し、電子楽器、音響機器、信号処理技術の開発・研究に従事。研究開発センター長、研究開発統括部戦略担当主席技師を経て、現職。最高級エレクトーンの音源LSIをはじめ、世界初の物理モデリングシンセサイザーVL1、販売終了後も国産機に珍しい音の太さに根強い支持があるアナログ・モデリング音源のAN1x、ヤマハの持つあらゆる音源技術が凝縮されたハイブリッド型のEX5、米国で圧倒的な支持を集めたピアノ型鍵盤を持つS80など、専門家やプロミュージシャンから高く評価される商品を次々と世に送り出したデジタル・シンセサイザーのレジェンド。
中須賀 真一
Nakasuka, Shinichi
東京大学大学院工学系研究科 教授
工学博士
1961年生まれ。1983年東京大学工学部卒、1988年東京大学博士課程修了、工学博士取得。 同年、日本アイ・ビー・エム鞄結條礎研究所入社。1990年より東京大学講師、助教授、アメリカ・メリーランド大学およびスタンフォード大学客員研究員を経て2004年より東京大学工学部航空宇宙工学専攻教授。超小型人工衛星の設計・製作・運用、宇宙システムの知能化・自律化、革新的宇宙システム、宇宙機の航法誘導制御等に関する研究・教育に従事。 日本航空宇宙学会、SICE、IAA等会員。IFAC元航空宇宙部会長。2010〜2014年、内閣府FIRSTプログラムによる「ほどよし超小型衛星プロジェクト」のリーダー。2012年から内閣府宇宙政策委員会委員。著書に『宇宙ステーション入門』(東京大学出版)、『CanSat−超小型模擬人工衛星ー』(オーム社)など。
才脇 直樹
Saiwaki, Naoki
奈良女子大学 研究院工学系教授・副学長
博士(工学)
奈良女子大学副学長。同大研究院工学系 教授(工博)、及び、大阪大学大学院基礎工学研究科 石黒研究室 特任教授。大阪大学大学院基礎工学研究科助手、講師を経て、平成14年度文部科学省在外研究員としてロンドン大学脳認知発達研究所及びスタンフォード大学電子音楽音響研究所、ATR知能ロボット研究所客員研究員等を経て現職。大阪科学技術センター「五感センサの産業化委員会」委員、ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事、人間情報学会理事、ヒューマンインタフェース学会評議員、日本繊維消費科学会理事、日本繊維機械学会理事、G20京都会議運営委員、E-Textile国際標準化WG主査等歴任。IEEE LifeTech 2019 Excellent Paper Award、平成22・26・29年度日本学術振興会科研費優秀審査員表彰、第21回ヒューマンインタフェース学会論文賞等を受賞。著書は、感性情報学(工作舎)、メディア用語基本事典(世界思想社)、スマートテキスタイルの開発と応用(CMC出版)、スマートテキスタイルの最新動向(同)など。専門は、人間情報学及びヒューマンインタフェース。