2017年度研究室メンバーのご紹介

水圏生態学研究室に所属するメンバーを紹介します。

教員

*メールにてご連絡の際は、メールアドレスの@を全角から半角に直してください。

教授  遊佐 陽一
メールアドレス:yusa@cc.nara-wu.ac.jp
研究領域:
生態学,行動学,進化学,遺伝学,応用動物学
貝類や甲殻類を中心とする淡水?海洋生物の生態と行動の研究を行っています。

現在は… 1)フジツボ類の性表現と矮雄現象
2)ウミウシ類における盗葉緑体現象
3)種間関係(間接効果や対捕食者戦略)
4)生物的抵抗を用いた外来種管理
5)スクミリンゴガイの性比変動と性決定機構
6)深海などの特異な環境に生息する動物の生態
などのテーマを扱っています。

学生

上から、回生?氏名、研究テーマ、研究テーマの紹介

D 4 Jing Guo Foraging niche shifts in response to multiple predators by a freshwater snail The hatchlings of Pomacea canaliculata exhibit different anti-predator behaviors in the presence of turtle Chinemys reevesii and carp Cyprinus carpio. That may lead to the snails shift their foraging niches in response to these two predators, with different performance.

D 3 安岡 法子 性転換と同時的雌雄同体の進化条件
:カキ類における種間比較
イタボガキ科カキ類は,近縁種間や種内でも多様な性表現(性転換、同時的雌雄同体、矮雄など)を示すことから,性表現の進化を考える上で特に興味深いグループです。私は、野外でのカキ類の性表現パターンと性表現に影響する要因について調査し、多様な性表現を持つ適応的意義と、性表現と雌雄の繁殖成功度の関係を明らかにすることを目指しています。

D 2 熊谷 菜摘 スクミリンゴガイにおける性比変動 スクミリンゴガイでは、1つの卵塊から生まれた子のほとんどがメスである卵塊から、ほとんどがオスである卵塊まで、性比が卵塊ごとに大きくばらついています。ところが、集団の平均性比は1:1であるという特徴があります。この性比変動にはどのような適応的意義があるのか、どのような仕組みによって起こるのかを調べています。

M 2 城山 裕美 嚢舌類にみられる盗葉緑体現象の生態学的意義の解明 ウミウシは光合成に利用するために、餌である藻類から葉緑体を体内に取り込み保持します。この現象に関連して、ウミウシの適応度に対する光と餌の相対性の重要性を評価し、盗葉緑体現象がなぜ行われるのかを明らかにします。

M 2 江藤 美緒 複数の外来種間における相互作用 典型的な外来種であるアメリカザリガニ、スクミリンゴガイ、オオカナダモの三種は野外で同所的に生息していることが多いです。この外来種3種が相互に正の影響をもたらしているのではないかという仮説に基づき、野外調査を中心に研究しています。

M 2 西山 若菜 ニホンジカにおける行動の学習と伝播 “奈良のシカ”が行うおじぎ行動は、奈良公園の個体群に特有な文化的行動であると考えられています。そこで、奈良公園のニホンジカに新たに別の行動を学習させ、それが社会的に伝播?継承していく様子を観察することで、動物における文化の継承について調べています。

M 1 一色 麻来 グッピーの捕食者存在下での産子調節 グッピーを用いて、捕食者に対してどのような反応を起こすのか、産子に注目して研究しています。特に捕食者のタイプによる産子調節の違いについてを明らかにしようと考えています。

M 1 清水 ミチル 陸水域における食物網と水質の関係 陸水域において、水生植物は水中の栄養塩(リン酸、硝酸)を吸収しています。そのため植食者の摂食により植物量が減少すると、栄養塩が増加し、富栄養化などが引き起こされます。ここに肉食者を導入するとどうなるでしょうか。このような食物網の間接効果による水質への影響を屋外実験系により調べています。

B 4 山科 友紀 鯨骨上に生息するホネクイハナムシ(多毛類)の生活史 深海の鯨骨に生息するホネクイハナムシを継代飼育し、その成長?繁殖を含めた生活史の解明するとともに、成長?繁殖に最も適した条件を調べます。

B 4 三藤 清香 嚢舌目ウミウシの生活史の解明 体内に留めた藻類の葉緑体で光合成を行う「盗葉緑体現象」で知られる嚢舌目のウミウシですが、個々の生活史についてはほとんど明らかになっていません。本研究では、複数種の嚢舌目のウミウシを卵から飼育し、完全飼育および生活史の解明を目指します。

B 4 藪田 美玖 寄生者が宿主の繁殖や生存率に与える影響 蔓脚類フクロムシ類は他の甲殻類に寄生し、多くの場合、宿主の繁殖能力を奪います。しかし、寄生者が雌雄同体動物の繁殖に与える影響についてはほとんど知られていません。そこで私は、イワフジツボ(宿主)とフジツボフクロムシ(寄生者)の両者に注目し、寄生率や宿主の繁殖について調べます。