2016年度研究室メンバーのご紹介
水圏生態学研究室に所属するメンバーを紹介します。
教員
*メールにてご連絡の際は、メールアドレスの@を全角から半角に直してください。
教授 遊佐 陽一
メールアドレス:yusa@cc.nara-wu.ac.jp
研究領域:
生態学,行動学,進化学,遺伝学,応用動物学
貝類や甲殻類を中心とする淡水?海洋生物の生態と行動の研究を行っています。
現在は…
1)フジツボ類の性表現と矮雄現象2)ウミウシ類における盗葉緑体現象3)種間関係(間接効果や対捕食者戦略)4)生物的抵抗を用いた外来種管理5)スクミリンゴガイの性比変動と性決定機構6)深海などの特異な環境に生息する動物の生態などのテーマを扱っています。
学生
上から、回生?氏名、研究テーマ、研究テーマの紹介
D 2 安岡 法子
性転換と同時的雌雄同体の進化条件
:カキ類における種間比較
イタボガキ科カキ類は,近縁種間や種内でも多様な性表現(性転換、同時的雌雄同体、矮雄など)を示すことから,性表現の進化を考える上で特に興味深いグループです。私は、野外でのカキ類の性表現パターンと性表現に影響する要因について調査し、多様な性表現を持つ適応的意義と、性表現と雌雄の繁殖成功度の関係を明らかにすることを目指しています。
D 1 熊谷 菜摘
スクミリンゴガイにおける性比変動
スクミリンゴガイでは、1つの卵塊から生まれた子のほとんどがメスである卵塊から、ほとんどがオスである卵塊まで、性比が卵塊ごとに大きくばらついています。ところが、集団の平均性比は1:1であるという特徴があります。この性比変動にはどのような適応的意義があるのか、どのような仕組みによって起こるのかを調べています。
M 2 稲田 美和
アブラムシの繁殖調節メカニズム
アブラムシは捕食者に対して様々な被食回避手段を持っています。私は、アブラムシの対捕食者戦略としての繁殖調節について、そのメカニズムを中心に調べています。
M 2 野村 有未佳
グッピーの繁殖調節における対捕食者戦略
捕食者の存在下で繁殖を調節することは有効な対捕食者戦略と考えられていますが、ほとんどその例は知られていません。そこで、グッピーにおいて捕食者の存在下で繁殖調節が行われるか、また、繁殖調節を引き起こす要因は何かを調べることを目的としています。
M 2 廣兼 優
嚢舌類における光合成能の獲得
巻貝類に属する嚢舌類ウミウシは餌とする藻類から葉緑体を自分の細胞に取り込み、光合成を行うことが知られています(盗葉緑体現象)。本研究では、系統解析と系統的比較法により光合成能の適応的意義を明らかにします。
M 1 城山 裕美
嚢舌類にみられる盗葉緑体現象の生態学的意義の解明
ウミウシは光合成に利用するために、餌である藻類から葉緑体を体内に取り込み保持します。この現象に関連して、ウミウシの適応度に対する光と餌の相対性の重要性を評価し、盗葉緑体現象がなぜ行われるのかを明らかにします。
M 1 西山 若菜
ニホンジカにおける行動の学習と伝播
“奈良のシカ”が行うおじぎ行動は、奈良公園の個体群に特有な文化的行動であると考えられています。そこで、奈良公園のニホンジカに新たに別の行動を学習させ、それが社会的に伝播?継承していく様子を観察することで、動物における文化の継承について調べています。
M 1 江藤 美緒
複数の外来種間における相互作用
典型的な外来種であるアメリカザリガニ、スクミリンゴガイ、オオカナダモの三種は野外で同所的に生息していることが多いです。この外来種3種が相互に正の影響をもたらしているのではないかという仮説に基づき、野外調査を中心に研究しています。
B 4 一色 麻来
グッピーの捕食者存在下での産子調節
グッピーを用いて、捕食者に対してどのような反応を起こすのか、産子に注目して研究しています。特に捕食者のタイプによる産子調節の違いについてを明らかにしようと考えています。
B 4 清水 ミチル
淡水域における食物網の関係
淡水の生態系では植物、植物を捕食する植食者、植食者を捕食する肉食者が存在し、食物網が形成されています。この食物網では、生物たちが窒素やリンなどの栄養塩を取り込んでいて、それにより水中の栄養塩量が減り水質は浄化されると考えられる。この食物網と水質の関係について、野外実験により調べます。
B 3 山科 友紀
ホネクイハナムシの生活史と性決定
深海の鯨骨に生息するホネクイハナムシを継代飼育し、その成長?繫殖を含めた生活史を解明し、性決定における環境要因の影響について調べます。